表彰事業におけるAIの効果的な活用法

mo4ma
09.09.26 04:59 AM - コメント

AIをただの汎用アシスタントとして使うのではなく、要約・情報抽出・採点標準化など「仕事」ごとに設定を分けて使う発想を解説。プリプロンプト(事前指示)と温度(Temperature)の使い分け方、そしてAward ForceのAIツールを活用するための実践的なヒントまで、具体例とあわせてご紹介します。

Award Force AI活用ガイド

モデルではなく、仕事で選ぶ
表彰事業におけるAIの効果的な活用法

公開日:2026年9月1日原文著者:Craig Casten(Award Force)/日本語版:award-of

人工知能(AI)は、表彰事業の運営チームにとって大きな時間の節約になり得ます。ただし、それには明確な目的が伴っていることが条件です。Award Forceでは、応募内容の要約、情報抽出、テーマの特定、フィードバックの下書き作成、各種計算など、さまざまな作業をAIが支援できます。人の目を介在させながら、一次審査や採点の標準化を行うことさえ可能です。これは、15年にわたる表彰運営のノウハウに裏打ちされた最先端技術です。

この記事でわかること

  • Award ForceのAIツール
  • モデルではなく、仕事に焦点を当てる
  • プリプロンプト(事前指示)がもたらす違い
  • 温度(Temperature)が出力の予測可能性を左右する
  • 仕事ごとに異なる名前をつける
  • Award Force AIツール活用のヒント
  • Award Forceで、自分だけのAI活用ツールキットを構築する
01基本方針

Award ForceのAIツール

Award Forceでは、対応する大規模言語モデル(LLM)を使って、表彰運営チームが目的特化型のAI設定を作成できます。それぞれの設定には、名前・モデル・温度・プリプロンプト(事前指示)を個別に持たせることができ、AIに「何を求められているか」「どう応答すべきか」という文脈を与えます。

これは、他の表彰運営ツールやAIソリューションが提供するものとは本質的に異なります。Award Forceでは、その柔軟性はあなた自身が所有し、AIの応答内容もあなたがコントロールし、そのAIツールをいつ・どこで使うかもあなたが決めます。自分たちの表彰事業にとって最も理にかなった形で、です。

Award Forceにおいて、AIはあなた抜きでプログラムを管理することはありません。人間だけが担うべき判断を代わりに下すこともありません。そして、ベンダー側が「あなたに必要だろう」と考えるもの(あるいは、ベンダーへのAIトークン支出が最も増えるもの)に縛られることもありません。

漠然とした「何でも屋」のような汎用AIアシスタントに任せきりにするのではなく、表彰プログラム内のさまざまな仕事に特化した、目的の定まったツール群を自分たちの手で構築できるのです。

Award ForceでAIモデルを設定する方法を見てみましょう

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02考え方

モデルではなく、仕事に焦点を当てる

大手AIベンダーがそう思わせたがっているのとは裏腹に、市場に出回っているLLMは互いに非常によく似ています。もちろん違いはありますし、複雑なタスクになるほど性能差も出てきます。しかし表彰運営の文脈では、モデル選びはむしろ「地域ごとの利用可否」「個人の好み」「消費するトークン量」といった要素に左右されることの方が多いのです。

つまり、モデルを中心に考えるのではなく、目の前の「仕事」を中心に考えるべきだということです。Award ForceのAIツールに、どんな仕事をしてほしいのか。

例えば「応募内容の要約」という仕事を考えてみましょう。ここでAIに求めたいのは、応募の重要な情報をできる限り正確に捉え、誇張を避け、予測可能な形式で提示することです。これだけで、設定すべき要素がいくつも見えてきます。

目的
応募を要約する
振る舞い
事実に忠実、簡潔、中立的
温度
低め(予測可能な応答を優先するため)
コンテキスト
応募に何が含まれているか(あるいは特定の設問と回答に焦点を当てるか)、この仕事において何が重要かを説明する
出力
求める構成と、おおよその要約の長さを定義する

こうしたモデル設定には「応募サマリー」といった名前を付け、その要約を表示したい場所に配置することができます。

Award ForceにおけるカスタムAI要約の設定画面

カスタムAI要約の設定画面(Award Force)

さて、別の仕事を考えてみましょう。今度は、複数の応募にまたがるテーマを特定したいとします。基盤となるAIモデルはまったく同じものを使うかもしれませんが、指示内容と温度は変える必要があります。なぜならこの「仕事」は、AIにより多くの解釈を求めるものだからです。

基盤となる技術そのものは変わっていませんが、「仕事」は変わりました……そしてAIによる成果(アウトプット)も、大きく異なるものになるはずです。

03仕組み

プリプロンプト(事前指示)がもたらす違い

これはマーケティング用語のように聞こえるかもしれませんが、実際のところAward Forceは、AIの「話題性ゲーム」には関心がありません。私たちが関心を持っているのは、人間であるお客様が、今すぐ必要な形でAIを機能させられるだけの柔軟性を持てるようにすることです。

要約ボタンや、いわゆる「AI審査員」のようなものを作ることもできたでしょう。しかし、それで本当に必要なものすべてが揃うでしょうか? おそらくそうではありません。そこで私たちは、今は使わない機能にお金を払わせることなく、必要なものを簡単に作れる力を提供することにしました。将来的には、専用の要約ボタンやAIによる審査支援ツール、表彰運営向けのAIエージェントなど、シンプルなAIタスクをさらに使いやすくしていく予定です。

しかし今この技術がすさまじいスピードで進化している段階では、私たちはまず、お客様の最大の利益のために柔軟性を優先して提供しています。

その柔軟性と、それぞれのワークフローへの敬意を支えているのが、私たちが「プリプロンプト」と呼ぶものです。プリプロンプトとは、ユーザー自身のプロンプトが追加される前に、AIに与えられる指示のことです。AIの役割、注意を払うべきこと、避けるべきこと、そして回答をどう構成すべきかを定義できます。

プリプロンプトがなければ、AIツールを使うたびに、AIにしてほしいことを毎回細かく定義しなければなりません。しかし、よく設計されたプリプロンプト(そして温度設定!)があれば、それらの指示はあらかじめ組み込んでおくことができます。先ほどの要約の例で言えば、あとは「要約してください」とだけ頼めばよいのです。それ以外のことを毎回プロンプトし直す必要はありません。

プリプロンプト設定画面

プリプロンプトの設定画面(Award Force)

ユーザーが入力するプロンプト画面

実際にユーザーが入力するプロンプトの例(Award Force)

プリプロンプトは誰にとっても時間の節約になりますが、本当のメリットは「一貫性」にあります。重要な指示が、個人の記憶やチーム内でのプロンプトの使い回しに依存しなくなります。モデル設定そのものが、それらの指示をすべて携えてくれるのです。

04出力の性質

温度(Temperature)が出力の予測可能性を左右する

プリプロンプトがAIに「何をしてほしいか」を伝えるのに対し、温度は「AIの出力がどれだけ予測可能になるか」に影響を与えます。簡単に言うと、温度が低いほど、より一貫性のある保守的な応答になりやすく、温度が高いほど、より創造的でばらつきの大きい応答になります。重要なのは、万能に正しい温度というものは存在しないということです。それは、AIにさせたい仕事の内容次第です。

温度(Temperature)設定画面

温度(Temperature)の設定画面(Award Force)

応募の要約、計算、情報抽出など、一貫性が特に重要なタスクには低い温度が適しています。一方、フィードバックの生成やテーマの掘り下げなど、創造的な作業には、より高いばらつき(創造性)の方が役立ちます。

候補の絞り込み・要件評価・事前採点の設定画面

候補の絞り込み・要件評価・事前採点など、仕事ごとに異なる設定例(Award Force)

注:温度が高いAIは、応答を生成する際により大きな「創造的な裁量」を与えられます。より創造的、あるいは探索的な応答は、より長くなったり、答えに至るまでに遠回りな経路をたどったりすることがあり、その結果、消費される出力トークン数、ひいては各タスクの実行コストが増える可能性があります。安いものが突然高額になるような極端な話ではありませんが、それでも留意しておく価値はあります。
05運用のコツ

仕事ごとに異なる名前をつける

複数の設定を持つようになると、それぞれの設定に付ける名前が意外なほど重要になってきます。「Claude」や「Mistral」といったラベルは、その設定の背後にどの技術があるかは教えてくれますが、なぜそれを選ぶべきかまでは説明してくれません。

「応募サマリー」「テーマ抽出」「採点の標準化」といった名前であれば、意図された目的が一目瞭然になり、ユーザーがAIの使い方について考えるうえでも役立ちます。

これは裏側での柔軟性にもつながります。新しいモデルが登場したり、既存のモデルが自分たちの地域で利用可能になったりした場合でも、モデルだけを差し替えれば、設定そのもの――そして目の前の仕事――にはまったく手を加える必要がありません。

06実践のヒント

Award Force AIツール活用のヒント

① 指示は焦点を絞る

プリプロンプトには多くの情報を盛り込めますが、指示は多ければ良いわけではありません。役割・注意点・避けるべきこと・構成・トーン・創造性の度合いを過不足なく伝えましょう。無関係な指示が積み重なってきたら、別の設定を作るサインです。

② 設定全体をテストする

テストすべきはプロンプトだけではありません。長い応募、短い応募、独特な言い回し、情報が欠けている応募など、あらゆるケースで結果を確認・比較し、必要なら設定を調整して再テストしましょう。

③ 品質・速度・コストを考慮する

モデルによって能力・速度・コストは異なります。重要なのは「どのモデルが最も優れているか」ではなく、その仕事に必要な品質・一貫性・速度・コストを実現する、モデルと設定の組み合わせです。

④ 人間の判断を関与させ続ける

適格性、審査、コミュニケーションに関わる意思決定には、評判・倫理・ガバナンス上の意味合いが伴います。AIはプロセスを支援できますが、結果に責任を持つのはあくまで人間であるべきです。

私たちは、AIが作成した応募をAIによる審査ソリューションが評価する、というような事態を意図せず生み出したくはありません。それは、多くのAIネイティブなベンダーが、「卓越性を称えられる」ということの持つ、紛れもない人間らしさを十分に考慮しないまま、まっすぐ突き進んでしまっているリスクです。

まとめAward Forceで、自分だけのAI活用ツールキットを構築する

設定可能な表彰運営AIがもたらす最大の機会は、より多くのモデルにアクセスできることではありません。自分たちの表彰プログラムのために、明確に定義されたツール群を作り上げられることです。要約用の設定を1つ、応募情報の抽出用にもう1つ、モデレーション用にまた別の1つ、フィードバック用にさらに別の1つ、といった具合です。

そうすることで、チームにとってAIは使いやすく、テストしやすく、統制しやすいものになります。また、表彰プログラムを運営する人たち全員が「プロンプトエンジニアリングの専門家」になる必要もなくなります。多くの思考は、その設定が作られた時点ですでに済んでいるからです。

ここにこそ、AIが時間・コスト・労力を本当に節約し始めるポイントがあります。あまりに多くのことをこなそうとする1つの汎用アシスタントではなく、それぞれが目の前の仕事のために設計された、AIツールの集合体としてです。Award ForceのAIツールに、今日どんな表彰運営の仕事を任せられるでしょうか?

Award ForceのAI機能を、自社の表彰事業でも

Award Forceの導入や活用について、award-ofが日本語で丁寧にサポートいたします。

本記事はAward Force社ブログ記事「Jobs not models: How to use AI in awards management effectively」を、代理店パートナーであるaward-ofが日本語に翻訳・再構成したものです。

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